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【展示会レポート】2025国際ロボット展(iREX2025):AI・協働ロボットの最前線と製造業DXの現在地

世界最大規模のロボット専門展「2025国際ロボット展(iREX2025)」が、2025年12月3日(水)から6日(土)の4日間、東京ビッグサイトにて開催されました。製造業における人手不足の深刻化や、AI技術の急速な進化を背景に、今回の展示会はこれまで以上に高い注目を集めました。

本レポートでは、現地で体感した会場の熱気や、ヒューマノイド・産業用ロボット・協働ロボットの最新トレンド、そしてビジネスの現場で今まさに起きている「自動化・DX」の潮流について解説します。2025年の最新動向を把握し、自社のビジネスに活かすためのヒントとしてご活用ください。

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第1章:主催とイベント概要について

「2025国際ロボット展(INTERNATIONAL ROBOT EXHIBITION 2025)」は、一般社団法人日本ロボット工業会と日刊工業新聞社が主催する、2年に一度のビッグイベントです。今回の開催テーマは「ロボティクスがもたらす持続可能な社会(Sustainable Societies Through Robotics)」。単なる生産性向上だけでなく、環境負荷の低減や働き方改革など、SDGsの観点を含めた持続可能な社会基盤の構築に、ロボット技術がいかに貢献できるかが問われる内容となりました。

会場は東京ビッグサイトの東展示棟と西展示棟を使用し、過去最大規模での開催となりました。出展社数・小間数ともに前回を上回る規模となり、ヒューマノイド、産業用ロボット、システムインテグレータ(SIer)、要素技術メーカー、そしてAIベンチャーなど、多岐にわたる企業が一堂に会しました。特に今回は、農林水産省が「スマート農業」を掲げて出展するなど、従来の製造業の枠を超えた「ロボット活用の広がり」が明確に打ち出された点が特徴です。

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第2章:来場者の傾向

会場内は連日、多くの来場者で埋め尽くされ、通路を進むのも困難なほどの盛況ぶりでした。主催者発表による2025年の来場者見込みは15万人超とされていましたが、実際のフロアの密度や熱気は、その数字を十分に裏付けるものでした。参考までに、前回(2023年)の来場者数は148,125名でしたが、今回はそれと同等かそれ以上を想起させる賑わいが感じられました。来場者の属性として顕著だったのは、以下の3つの傾向です。

・経営層・DX推進担当者の増加:これまでは現場の技術者が中心でしたが、スーツ姿の経営層や、全社的なDXを推進する企画部門の担当者の姿が多く見受けられました。ロボット導入が「現場の改善活動」から「経営戦略」へとシフトしていることの表れです。

・異業種からの関心:物流、食品、建設、農業など、非製造業からの来場者が目立ちました。特に物流業界は、法的規制強化に伴う人手不足への対応が急務であり、AGV(無人搬送車)やAMR(自律走行搬送ロボット)のブースに熱心な視線が注がれていました。

・海外来場者の存在感:アジア圏を中心に、海外からのバイヤーや技術者、協業先を求める企業の姿も数多く見られ、日本のロボット技術に対する世界的な関心の高さが改めて浮き彫りとなっていました。

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第3章:出展ブースの様子

各社の展示ブースでは、「協働」「AI融合」「簡単導入」などが主要なキーワードとなっていました。

1. 協働ロボットの進化と定着

かつては「新しい技術」であった協働ロボットが、完全に「実用段階」のソリューションとして定着しています。安全柵なしで人と並んで作業できる利点を活かし、従来は自動化が難しかった組立工程や配膳、検品作業での活用事例が多数展示されました。可搬重量が増加したモデルや、より高速に動作するモデルなど、ラインナップの拡充が進んでいます。

2. AIとロボティクスの融合

今回の展示で最も際立っていたのが、AI(人工知能)の活用です。特に、カメラやセンサーとAIを組み合わせることで、事前のプログラミング(ティーチング)時間を大幅に短縮する「ティーチングレス」技術や、不定形なワーク(対象物)を正確に認識してピッキングする技術が注目を集めました。生成AIを活用し、自然言語でロボットに指示を出せるデモンストレーションを行う企業もあり、ロボット操作のハードルが劇的に下がりつつあります。

3. 物流・搬送の自動化ソリューション

ヤマハ発動機のリニアコンベアモジュールや、各社のAMR/AGVなど、「運ぶ」工程の自動化技術も大きなスペースを割いて展示されました。工場内の工程間搬送だけでなく、倉庫内のピッキング支援など、物流効率化に直結するソリューションは、多くの来場者が足を止めて見入る人気コンテンツとなっていました。また、GMOインターネットグループのようなIT企業が、ロボットの通信インフラやセキュリティ、AI基盤を支えるソリューションとして出展していたことも、ロボット産業がハードウェア単体から「システム全体」へとエコシステムを広げている事実を象徴していました。

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まとめ

2025国際ロボット展は、ロボットがもはや「未来の技術」ではなく、現在進行形の社会課題を解決するための「不可欠なインフラ」へと位置付けを変えたことを強く印象付ける展示会でした。『人手不足解消のための確かな選択肢』、『AI活用による導入・運用ハードルの低減』、『製造業以外の分野へと広がる適用領域』といったトレンドは、今後のビジネス環境を考えるうえで見過ごせないポイントです。今回の展示会で確認できた最新技術やソリューションは、2026年以降のビジネス変革を推進するうえで、極めて重要なカギとなるでしょう。

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