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【徹底レポート】NexTech Week 2025 春 :未来技術が集結した3日間 – AI・ブロックチェーン・量子コンピュータの最前線

作成者: Shinsuke Uei|2025/04/17

2025年4月15日から17日にかけて、東京ビッグサイトは未来を形作る最先端技術とその可能性を求める人々で賑わっていました。国内最大級のIT・DX・デジタル分野の総合展「NexTech Week 2025 春」が開催され、会場は次世代のビジネスを牽引するであろうテクノロジー企業の活気に満ちていました。

弊社もDX・AIを支援し、ビジネス革新の最前線に立つ者として、この重要なイベントの熱気を直接感じるために会場を訪れました。本レポートでは、単なる概要紹介にとどまらず、会場で得られた深い洞察、注目すべき技術の詳細、そしてこれらが今後のビジネスにどのような影響を与える可能性があるのか、独自の視点から詳しくご報告いたします。このレポートが、会場に足を運べなかった方々や参加された方々の振り返りの一助となれば幸いです。

第1章:主催とイベント概要について

信頼と実績の主催者、RX Japan株式会社

NexTech Week 2025を主催するのは、日本で最大規模の展示会を手掛けるRX Japan株式会社です。本ブログでもおなじみの企業です。同社は多様な産業分野で大規模なBtoB展示会を成功させた実績があり、その企画力と集客力は業界内で高く評価されています。NexTech Weekにおいても、先端技術分野の主要なプレイヤーと、それを求める企業や技術者を効果的に結びつけるプラットフォーム(主催者)として、その能力が遺憾なく発揮されていました。

先端技術が一堂に会する総合展

NexTech Weekの最大の特徴は、特定の技術領域や業界に限定せず、現代ビジネスの変革に欠かせない最先端技術の「AI」「ブロックチェーン」「量子コンピューティング」「デジタル人材育成」をテーマにした4つの専門展を同時に開催している点です。具体的には、以下の通りです。

  • AI・人工知能 EXPO:生成AIの目覚ましい進化から、業務自動化を支援する実用的なAIソリューション、そしてAIエージェントまで、幅広いAI技術が紹介されました。当然、会場で最も人気があり、常に人で溢れているエリアとなっていました。
  • ブロックチェーン EXPO:Web3やNFTといった最新技術に加え、サプライチェーン管理や金融分野(次世代決済)での信頼性向上に役立つ実用的な応用例が展示されました。
  • 量子コンピューティング EXPO:未来の計算基盤として期待される量子技術の最前線に触れ、研究開発の進捗や将来性が示されました。
  • デジタル人材育成支援 EXPO:技術革新を支えるために必要な人材、スキル習得や組織開発に関する多様なサービスが提案されていました。

これらの専門展が連携することで、来場者は個々の技術知識を深めるだけでなく、技術間の相乗効果や複雑な課題解決の可能性を探ることができます。例えば、AIの性能向上には大量のデータが必要ですが、そのデータの信頼性や管理にはブロックチェーン技術が活用される可能性があります。また、量子コンピューティングは将来的にAIアルゴリズムの飛躍的な進化をもたらします。そして、これらすべての技術を効果的に活用するには、高度なデジタルスキルを持つ人材が不可欠です。これまで大企業が蓄積してきた膨大なデータを実務に活かす時が来ました。NexTech Weekは、こうした未来のビジネスエコシステムを俯瞰的に捉える絶好の機会を提供していました。

第2章:来場者の傾向

会場を歩いて強く感じたのは、とりあえず他のAI・DX関連のホリゾンタル系展示会に比べ「人が多い」ということです。去年の同時期に開催されたNexTech Week来場者数は28,779人という実績ですが、今回はゆうに超えているのではないでしょうか。AI技術への関心と期待の高さが感じられました。来場者もブース担当者に積極的に質問を投げかけ、自社の状況を説明しながら熱心に議論を交わす姿が随所で見られました。それは、単なる情報収集を超え、具体的なソリューション導入や協業パートナー探索といった、明確な目的意識の表れと言えるでしょう。

多様な立場から未来を探る人々

来場者の背景は非常に多様でした。企業の未来を決定づけるDX戦略や新規事業のアイデアを求める経営層や役職者。日々の業務効率化やシステムの刷新に直結する具体的な技術やソリューションを比較検討する情報システム部門やDX推進担当者。最先端の技術トレンドを吸収し、自社の研究開発に活かそうとするエンジニアや研究者。そして、組織全体のデジタル対応力を高めるための育成プログラムや採用戦略を模索する人事・人材開発部門の担当者。さらに、AIを活用した新しいマーケティング手法や、Web3時代を見据えた顧客エンゲージメントに関心を持つマーケティング・営業部門の姿も見受けられました。

高まる「実用化」への関心

特に強い関心を集めていたのは、やはり「生成AI」の具体的な業務活用事例や、それを支える技術に関するブースやセミナーでした。また、DXを成功させるための組織・人材論や、喫緊の課題であるデジタル人材の育成・確保に関するテーマも、常に多くの聴衆を集めていました。これは、数年前の「AIやDXは重要だ」という漠然とした認識から一歩進み、「いかにして自社のビジネスに実装し、成果を出すか」という、より具体的で実践的なフェーズへと関心が移行していることを明確に示していました。来場者の質問内容も、「この技術を導入した場合のROIは?」「既存システムとの連携は可能か?」「導入にあたっての注意点は?」といった、実導入を前提としたものが目立っていました。

満員で人が入りきらないセミナー


生成AIパスポート公式テキストが大人気で、長蛇の列に
(参考: https://guga.or.jp/outline/

第3章:出展ブースの様子

広大な展示会場には、国内外の先進企業から意欲的なスタートアップまで、数百社の企業が出展し、自社の最新技術やソリューションを積極的にアピールしていました。各ブースでは、製品デモンストレーションや導入事例の紹介、専門家による解説セミナーが絶え間なく行われ、活気に満ちた声がけが盛んに行われていました。

 

展示会出展ではお馴染みのキーエンスによるセミナーも大盛況

AI分野:生成AIの浸透と業務AIの深化

「AI・人工知能 EXPO」エリアでは、もちろん「生成AI」が中心でした。テキスト生成や画像生成、プログラムコード生成といった応用技術のデモンストレーションに加え、自社業務に特化したファインチューニング(再学習)サービスや、安全な環境で利用可能なクローズドな生成AI基盤が注目を集めていました。技術紹介にとどまらず、具体的な業務プロセスへの組み込み方法や期待される効果を分かりやすく示す展示が多く、来場者は自社での活用イメージを膨らませていました。また、AI-OCRによる書類処理の自動化、チャットボットによる顧客対応の効率化、需要予測による在庫最適化、AIカメラなど、従来からある業務効率化AIも、精度や使いやすさが向上し、依然として高い需要があることを示していました。

ブロックチェーン分野:実用化フェーズへの移行 

「ブロックチェーン EXPO」では、以前の投機的なイメージを脱し、ビジネスにおける具体的な価値を提供する動きが目立っていました。NFTが単なるデジタルアートではなく、会員権や特典付与のマーケティングツールとして活用される事例や、サプライチェーンで製品の生産・流通過程を追跡し、透明性と信頼性を高めるトレーサビリティシステムが具体的に紹介されていました。また、セキュリティトークン(STO)による新しい資金調達方法や、分散型ID(DID / VC)による個人情報管理の革新といったテーマも注目を集めていました。エンタープライズ向けの開発プラットフォームやコンサルティングサービスの展示も多く、企業がブロックチェーン技術を導入する際の障壁を低くし、実用化を促進しようとする業界全体の意志が感じられました。

量子コンピューティング分野:未来への期待と着実な歩み

「量子コンピューティング EXPO」は、他の分野と比べてまだ研究開発段階の技術が多いものの、将来的に産業を大きく変革する可能性を秘めた技術として、多くの来場者の関心を集めていました。国内外の主要な研究機関や企業がブースを設け、量子コンピュータの仕組みや最新の研究成果、さらに材料科学、創薬、金融工学などの分野での将来的な応用可能性について詳しく説明していました。来場者からは基礎的な質問が寄せられ、この革新的な技術への理解を深めようとする姿勢が見受けられました。会場は比較的コンパクトなスペースでしたが、将来の協力関係や人材育成を見据えた交流が盛んに行われていました。

デジタル人材育成分野:DX推進の礎

「デジタル人材育成支援 EXPO」では、DX推進に不可欠なデジタルスキルをいかにして組織内に根付かせるか、という課題に対する多様なソリューションが提示されていました。オンラインで学べるeラーニングプラットフォーム、専門家による実践的な研修プログラム、外部人材の活用や内製化支援サービスなど、企業の状況やニーズに合わせた様々な選択肢がありました。特に、単一のスキルだけでなく、DX推進に必要なマインドセットやプロジェクトマネジメント能力まで含めた、総合的な人材育成プログラムへの関心が高いように見受けられました。

会場全体の熱気

各ブースでは、製品デモに多くの人々が集まり、ミニセミナーは立ち見が出るほどの盛況ぶりを見せていました。AI分野への関心が高まる中、来場者数も増加し、非常に活気あふれる展示会となりました。未来を象徴するビジネスの創出や技術革新の瞬間に立ち会っているような感覚を覚えました。大手企業から新進気鋭のスタートアップまで、多様なプレイヤーが共存し、互いに刺激し合うダイナミズムが、NexTech Week全体の活力を生み出していたようです。

おまけ

以前、弊社ブログでおすすめノベルティとして紹介したポリプロピレン製バッグが、私の古巣であるパーソルで配布されていました。今回の展示会では、大型バッグを配布する企業が少なかったため、非常に人気を集めていたようです。

「キャリアサークル by lotsful」を含め複数のDX人材育成サービスを提供するパーソルイノベーションのノベルティ

まとめ:未来への羅針盤としてのNexTech Week

NexTech Week 2025は3日間にわたって開催され(記事公開時点ではまだ会期中)、AI、ブロックチェーン、量子コンピュータといった未来を形作る最先端技術と、それを社会に実装するための鍵となるデジタル人材育成の現状を深く理解するための貴重な機会を提供しました。今回のイベントで特に印象的だったのは、生成AIがビジネスのあらゆる領域に急速に浸透し始めている現実、ブロックチェーン技術が投機的な側面を超えて実用的な価値を提供する段階に着実に移行していること、そして優れた技術もそれを使いこなす人材がいなければ意味をなさないという認識があり、デジタル人材の育成・確保がDX成功の絶対条件であるという点でした。これらの技術トレンドは、もはや一部の先進企業だけのものではなく、あらゆる企業が自社の競争力強化や新たな価値創造のために真剣に取り組むべきテーマとなっています。

NexTech Week 2025で示された数々の技術やソリューション、そして会場で交わされた活発な議論は、変化の激しい時代において、私たちが進むべき未来を照らす羅針盤となることでしょう。弊社ネクスドライブでは、この展示会で得た最新の知見とネットワークを活かし、今後もお客様のDX推進・AI導入を強力に支援してまいります。変化を恐れず、未来のテクノロジーを積極的に活用し、共にビジネスの新たな地平を切り拓いていきましょう。

次回のNexTech Weekは、秋展の2025年10月8日から10月10日に幕張メッセで開催されます。興味のある方はぜひ実際に足を運んで、その熱気を肌で感じてみてください。

ネクスドライブは展示会の戦略立案から営業オペレーション構築、導線・ブース配置、会期後のインサイドセールス戦略まで、包括的なサポートを行い、展示会の成果を最大限に引き出します。ぜひご相談ください。