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【展示会レポート】Japan Drone 2025 / 次世代エアモビリティEXPO 2025:ドローンと空飛ぶクルマが拓く未来社会の最新動向

作成者: Shinsuke Uei|2025/06/05

2025年6月4日から6日まで、千葉市の幕張メッセで国内最大級のドローン・次世代エアモビリティ専門展示会「Japan Drone 2025 / 次世代エアモビリティEXPO」が開催されました。本記事では、成長著しいドローン産業と、実用化への期待が高まる「空飛ぶクルマ」こと次世代エアモビリティの最新技術や市場動向が集結した本展示会の模様を、プロの視点からレポートします。

第1章:主催とイベント概要について

「Japan Drone / 次世代エアモビリティEXPO」は、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)と株式会社コングレが主催する、日本国内におけるドローンおよび次世代エアモビリティ技術の社会実装と産業振興を目的とした国際的な展示会です。

「Japan Drone 2025」は、その名の通りドローン(無人航空機システム:UAS)に特化した展示会であり、機体本体から搭載カメラ、センサー、ソフトウェア、通信技術、操縦・運用サービス、教育・トレーニングに至るまで、ドローンを取り巻くあらゆる製品・技術・サービスが一堂に会します。点検、物流、測量、農業、防災、エンターテイメントなど、多岐にわたる産業分野でのドローンの利活用事例や最新ソリューションが紹介されています。

同時開催の「次世代エアモビリティEXPO」は、都市部での新たな交通手段や地方の移動課題解決策として期待される「空飛ぶクルマ」(eVTOL:電動垂直離着陸機など)や、その運航に必要なインフラ、管制システム、関連サービスに焦点を当てています。こちらは「ON to the NEXT ERA」をテーマに掲げ、次世代の空の移動がもたらす社会変革の可能性を提示しています。

会場の幕張メッセには、予定では2展合計で約300の企業・団体が出展し、3日間で約22,000名の来場者数が見込まれています。前回2024年の開催では、21,273名の来場者数を記録しており、年々注目度が高まっていることが伺えます。

第2章:来場者の傾向

本展示会は、ドローンや次世代エアモビリティ関連の最新技術や製品、サービスを求めるビジネスパーソンにとって、情報収集やネットワーキング、デモ操作体験の絶好の機会となりました。例年の傾向として、以下のような目的を持った来場者が多いと推察されます。

  • 導入検討企業:自社の課題解決や新規事業創出のために、ドローンやエアモビリティの導入を具体的に検討している企業の担当者。特に、インフラ点検、建設、物流、農業、測量、防災といった分野での活用に関心が高い層が中心と考えられます。
  • 関連事業者:ドローンやエアモビリティに関連する製品・サービス(カメラ、センサー、ソフトウェア、バッテリー、通信システム、保険、コンサルティングなど)を提供する企業で、新たな協業先や顧客獲得を目指す層。
  • 研究・開発機関:大学や研究機関の関係者で、最新技術動向の把握や共同研究のパートナー探索を目的とする層。
  • 行政・自治体関係者:地域課題の解決(防災、過疎地の物資輸送、観光振興など)にドローンやエアモビリティの活用を検討している地方自治体の職員や政策担当者。

公式サイトの情報によれば、経営層や管理職といった決裁権を持つ来場者が多いことも特徴の一つです。実際に会場を訪れることで、各ブースでの商談の様子や、来場者がどのような情報に注目しているかを肌で感じることができ、より具体的な傾向を把握できます。

第3章:出展ブースの様子

会場内には、多種多様なドローンや次世代エアモビリティ関連のブースが所狭しと並んでいます。各ブースからは、未来の空を担うドローンや次世代エアモビリティ、各種パーツやデモ操作コーナーが設けられ、開発者たちの情熱が伝わってきました。

  • 最新ドローン機体:高性能カメラを搭載した測量・点検用ドローン、農薬散布や精密農業に対応した農業用ドローン、長距離・長時間飛行が可能な物流用ドローン、水中ドローン、小型の産業用ドローンなど、用途に特化した最新機体が多数展示されています。特に、改正航空法の施行に伴い、レベル4飛行(有人地帯における補助者なし目視外飛行)に対応した機体や、型式認証を取得した機体への注目度は高いでしょう。
  • 次世代エアモビリティ(空飛ぶクルマ):eVTOL(電動垂直離着陸機)の実物大モックアップや開発中の機体コンセプト、関連技術(バッテリー、モーター、制御システムなど)の展示が見られます。運航管理システムや離着陸ポート(バーティポート)の構想など。
  • コア技術・コンポーネント:ドローンの自律飛行を支えるAI技術、高精度な位置情報システム(GNSS)、各種センサー(LiDAR、赤外線カメラ等)、高性能バッテリー、軽量・高強度な素材技術、サイバーセキュリティ対策といったコア技術に関する展示も活発です。
  • ソリューション・サービス:撮影データ解析ソフトウェア、運航管理システム(UTM)、ドローンを活用した点検・測量サービス、物流ソリューション、ドローンパイロット育成スクール、ドローン保険など、ドローンの社会実装を支える多様なサービスが紹介されています。
  • 国際パビリオン・自治体/団体ゾーン:海外企業(中国、台湾、韓国、アメリカなど)の最新技術や、自治体/団体パビリオン(自治体・大学・各業界団体)エリアも設けられています。
  • 特設ゾーン・セミナー:「ドローン×地方創生」などの特設ゾーンでは、具体的な活用事例が紹介され交流が活発的に行われています。また、業界のキーパーソンによる講演やパネルディスカッション・実演操作が行われ、最新の市場動向や法規制、技術課題に関する深い知見を得ることができます。

まとめ

「Japan Drone 2025 / 次世代エアモビリティEXPO」は、ドローンや空飛ぶクルマが切り拓く未来社会を、実際に体感できる貴重な展示会でした。本レポートでは、開催概要、来場者の傾向、出展ブースの特徴などを中心にご紹介しました。

現地で展示やデモンストレーション、セミナーを直接見ることで、カタログやスペック表だけでは伝わらない技術の進化や市場の熱量を肌で感じることができます。AIと連携しながら活躍するドローンの姿は、今後の社会やビジネスの在り方を大きく変えていく可能性を示唆しており、自社のサービス開発や業務効率化に向けた多くのヒントが得られる場でもありました。今後の技術動向や活用事例に引き続き注目しながら、自社の未来を描く参考としていただければ幸いです。

株式会社ネクスドライブでは、展示会出展のコンサルティングから1日から単発利用できる展示会営業代行・事務局代行までを提供し、展示会の成果を最大限に引き出します。お気軽にご相談ください。