こんにちは。ネクスドライブ代表の上井です。すっかり暖かくなりましたね。朝晩は少し冷えるので、小さなお子さんがいる方はお気をつけください。さて、2025年3月26日(水)から28日(金)までの3日間、東京ビッグサイトで開催された「FaW TOKYO(ファッション ワールド 東京)2025 」に行ってきました。この展示会は、ファッション業界の最新トレンドとテクノロジーが交差する、日本最大級のBtoB展示会です。
世界20カ国から550社が集結し、アパレルや雑貨の買付はもちろん、OEM / ODMの発注、最新素材の探索、そして業界の未来を形作るファッションテックの商談が活発に行われていました。この記事では、ファッション ワールド 東京 2025の全体像を、主催・概要、来場者の傾向、そして出展ブースの様子という3つの視点からお届けします。
「FaW TOKYO(ファッション ワールド 東京)」は、RX Japan株式会社が主催する国際総合ファッション展で、春(3月)と秋(10月)の年2回開催されています。今回の2025年春展では、世界各国から550社以上が出展し、国内外のファッション業界関係者が一堂に会するビジネスの祭典となりました。
特筆すべきは、本展が「展示会=単なる製品発表の場」ではなく、「即・商談が始まる現場」である点。ファッションバイヤー、ブランド担当者、生産管理、MD、経営者など意思決定層が来場し、現場での具体的な契約・発注が次々に成立する、リアルなビジネスの場となっていました。椅子に座って商談している場面が多く見られました。アパレルや多様な生地の展示が目を引き、実際に手に取って触れることができる貴重な機会となっていました。展示会は以下の8つの専門エリアで構成され、それぞれのテーマに基づいて出展が行われています。
1. "日本のファッション” 輸出 EXPO
2. ブランド&デザイナー EXPO
3. アジアの縫製・生産工場 EXPO
4. 生地・素材 EXPO
5. サステナブルファッション EXPO
6. 健康・美容・機能性ウェア EXPO
7. ファッションテック EXPO
8. スポーツファッション EXPO
さらに今年は、スポーツ&ウェルネス関連の新エリアも登場し、アパレル以外の分野からの出展も増えていたのが印象的でした。生地・素材 EXPOでもスポーツウェアや速乾素材であるポリエステルなどの展示が多く見られました。
会場を歩いていると、多くの外国人の方が訪れており、中国語のアナウンスが流れるほどでした。印象としては、来場者の約半数が海外からの方のように感じられました。今回、最も広いスペースを占めていたアジアの縫製・生産工場 EXPOには、中国や韓国をはじめ、世界中の企業が出展していました。来場者層は主に小売業者を中心に、以下のように多岐にわたっていたようです。
• セレクトショップ・百貨店・ブティック
• 量販店・ECモールバイヤー
• 商社・卸・ブランド運営者
• 縫製工場・OEM担当者
• DX推進担当者・ファッションテック企業
• デザイナー・個人事業主 など
特に注目すべきは、多くの訪日バイヤーや海外のOEMパートナー候補が来場していた点です。会場では日本語に加えて英語や中国語が飛び交い、国際的な雰囲気が漂っていました。これにより、グローバル市場への入り口としての価値がさらに高まり、日本製品への関心の高さが感じられました。
※海外からの出展ブース
各ブースは業種別に分かれており、それぞれが明確なコンセプトと商談導線をもって展開されていました。中でも印象的だったのは以下のエリアです。
1. "日本のファッション"輸出 EXPO
日本の伝統的な織物や染色技術、そしてMade in Japanブランドが一堂に会しました。中小アパレルメーカーやOEM工場が多くの海外バイヤーの関心を引きつけていました。展示には多くのサンプル品が並び、特に特殊なシルクスクリーンプリントの展示が目を引きました。
2. アジアの縫製・生産工場 EXPO
中国、韓国、ベトナム、バングラデシュなどのアジア地域の縫製工場が主に出展していました。品質の向上に加え、「小ロット対応可能」や「サステナブル素材対応」など、多様なサンプル品を展示し、日本企業へのアプローチを強化していました。個人的に気になったのは、来場者が近くにいるにもかかわらず声をかけずに座っていたり、展示会出展に不慣れな様子が見受けられた点で、もったいないと感じました。
3. ファッションテック EXPO
AI生成によるデザインサポート、アパレルDX、在庫管理の最適化、バーチャル試着、ECのコンバージョン率向上ソリューションなどが展示されていました。ファッションとAI・テクノロジーの融合による新たな時代を感じさせる内容でした。
4. サステナブルファッション EXPO
アップサイクル素材や植物由来レザー、染色工程の環境負荷を削減する技術など、「素材」から見直す企業が多かった印象です。「環境に優しい」だけでなく「デザイン性との両立」が進んでおり、単なる理念ではなく“売れるサステナブル”が主流になりつつあるようです。
※ブースとサンプルがぎっしりと並ぶ会場の様子
ファッション ワールドは、もはや単なる展示会ではなく、「産業構造の変化」と「購買行動の未来」を肌で感じることができるリアルなビジネス現場・商談が行われる場です。この展示会では、業界の最前線で起こっている変革を直接目の当たりにすることができ、参加者は新たなビジネスチャンスを探る絶好の機会を得ることができます。
3日間で得られる情報量は膨大で、最新のトレンドや技術革新に関する知識を深めることができるだけでなく、業界のキーパーソンとのネットワークを築くことが可能です。さらに、新規案件の可能性も豊富で、参加者は具体的な商談を通じて、今後のビジネス展開に直結する貴重な機会を手に入れることができます。このような機会は他に代え難く、参加者にとっては非常に価値のあるものとなっています。
特に「新規パートナーを探したい」「トレンドを一気に把握したい」「業界の温度感を掴みたい」といった課題を持つ企業にとっては、年2回の“現場視察”として非常に有効です。次回のFaW TOKYO(ファッション ワールド 東京)秋展は2025年10月1日(水)〜3日(金)に開催予定のため、BtoBにおけるファッションの最前線をキャッチアップしたい方・出展検討の方は、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
次回の『ファッション ワールド 東京 2025 秋』の特設ページ
https://www.fashion-tokyo.jp/autumn/ja-jp.html