...
展示会リードはナーチャリングがキモ
BtoB企業にとって、展示会は新たなリード(見込み顧客)を獲得する絶好の機会です。しかし、展示会で得たリードがすぐに商談や契約に結びつくとは限りません。実際、多くのリードは「興味はあるが、今すぐ導入するわけではない」という潜在層に属します。
そのため、単に名刺交換をしただけで終わるのではなく、適切なナーチャリング(育成)を行うことが重要です。本記事では、展示会リードを確実に商談や契約へとつなげるためのナーチャリングのポイントを解説します。
第1章:展示会リードの特徴とナーチャリングの必要性
展示会で獲得したリードの多くは、自社のターゲットとして想定している層だけではありません。例えば、最終的な意思決定者ではない現場担当者や、異なる部署の関係者が情報収集を目的にブースを訪れることもあります。そのため、以下のような理由から、リードに対するナーチャリングの仕組みを構築することが重要になります。
-
潜在ニーズの層が多い:すぐに導入検討に進まないリードが多く、情報提供を続けることで購買意欲を高める必要がある。
-
ターゲット外の部署や役職が多い:直接の決裁権を持たないリードでも、適切な情報提供を行うことで社内での紹介や意思決定プロセスへの影響を期待できる。
-
前提として、展示会当日にブース内で次回打ち合わせの設定を行うことが理想。これが難しい場合は、インサイドセールスからアプローチし、それ以外の多数のリードに対してナーチャリング施策を適用する。
ナーチャリングをしないと、せっかく得たリードが埋もれてしまい、商談のチャンスを逃すことになります。特に、東京ビッグサイトや幕張メッセで開催される大規模な展示会では来場者が多く、出展コストが高い場合はなおさらです。
第2章:定期的な接点を持ち続けて第一想起を得る
展示会後のフォローが一度きりのメールや電話で終わってしまっては、すぐに自社の存在を忘れてしまいます。ナーチャリングを成功させるためには、定期的に接触を保ち、自社を「最初に思い浮かぶ存在(第一想起)」として認識してもらうことが重要です。必要な時や課題が生じた際に、真っ先に思い出してもらえる存在を目指しましょう。
効果的なナーチャリング施策
-
メルマガ:展示会後にフォローアップメールを送り、その後も業界ニュースや事例紹介を含めた定期的なメール配信を行う。
-
ウェビナーやセミナーの開催:参加しやすいオンラインイベントを定期的に実施し、価値ある情報を提供する。特に展示会開催直後は効果が高い。
-
SNSやコンテンツ配信:ブログやホワイトペーパーを活用し、関心を持ちやすい情報を発信し続ける。
これらの活動を続けることで、検討を進める際に「そういえば、この会社があったな」と思い出してもらえる状況を作り出せます。一度リアルで接点を持ったことは大きなアドバンテージであり、上記のナーチャリング施策を通じて再び関心を持ってもらえるように、継続的な取り組みを心がけましょう。
第3章:ナーチャリングを仕組み化し、継続的な成果を出す
ナーチャリングは一度やれば終わりではなく、継続的に実施することが重要です。そのためには、社内で仕組み化し、長期的に運用できる体制を整える必要があります。
仕組み化のポイント
-
リードの分類とスコアリング:展示会で獲得したリードを「すぐに商談可能」「中期的な見込み」「長期育成」といったカテゴリに分け、それぞれに適したフォローを行う。
-
ツールの活用:CRM(顧客管理システム)やMA(マーケティングオートメーション)ツールを導入し、適切に管理した上で、興味や関心に合わせたメール配信やスコアリングを行う。
-
営業とマーケティングの連携:ナーチャリングの結果を営業チームと共有し、商談化のタイミングを最適化する。
ナーチャリングを仕組み化することで、展示会で得たリードを商談・受注につなげることが可能です。興味に応じたフォローアップで購買意欲を高め、第一想起を得ます。プロダクトに興味を示す場合は詳細情報を提供し、課題には解決策を提示して商談を促進します。定期的なコミュニケーションで新たなニーズ(クロスセル)に対応し、競合との差別化を図ります。これらにより、展示会投資を最大限に活用し、企業の成長を加速します。
まとめ
展示会で獲得したリードを活かすためには、適切なナーチャリングが不可欠です。潜在層が多いことを踏まえたフォロー体制を整え、定期的な接点を持ち続けることで第一想起を獲得しましょう。人手不足に悩むベンチャーやスタートアップ企業では、しばしば軽視されがちです。しかし、ナーチャリングを体系化し、持続的な成果を生み出す体制を整えることが、BtoB展示会のROIを最大化するための重要な要素となります。
展示会の成果に課題を感じている企業は、ぜひナーチャリングの仕組みを一度見直し、長期的な成果を生み出す仕組みを構築してみてください。