2025年6月12日から13日にかけて、東京国際フォーラムで盛大に開催された「Eight EXPO 第4回 営業マーケDX 比較・導入展」。本記事では、展示会の概要から会場の熱気、そして見えてきた営業・マーケティング分野の最新トレンドまでを、網羅的にレポートします。
企業の成長戦略において、営業とマーケティングのDX(デジタルトランスフォーメーション)は、もはや避けては通れない重要課題です。SFA(営業支援システム)やMA(マーケティングオートメーション)といったツールの導入は一般的になりつつありますが、それらをいかに連携させ、成果に結びつけるかという新たなフェーズに多くの企業が直面しています。
このような背景のもと開催された「Eight EXPO 第4回 営業マーケDX 比較・導入展」は、営業・マーケティングのプロフェッショナルたちが最新のソリューションを求め、熱心に情報収集を行う場となりました。本レポートが、貴社のDX推進の一助となれば幸いです。
本展示会を主催するのは、名刺アプリ「Eight」を提供するSansan株式会社です。Eightは単なる名刺管理ツールにとどまらず、ビジネスパーソンが「出会いからつながる、ビジネスイベント」を体験できるプラットフォームへと進化を続けています。
「Eight EXPO」は、そのコンセプトを体現したリアルイベントです。単に出展社のサービスが並ぶだけでなく、独自のAIマッチングシステムや、特定の課題解決に特化したブースツアー、AIコンシェルジュサポートデスクなどが用意され、来場者が自身の課題に最適な解決策と効率的に出会えるよう、きめ細やかな工夫が凝らされていました。会場には、日々の業務で以下のような課題を抱える多くのビジネスパーソンが訪れていました。
これらの課題に対し、約100社の出展企業が最新の技術やサービスを展示し、会場は活気に満ち溢れていました。
2024年の来場者数は公表されていないものの、事前のブース訪問予約は2,696件に達し、第4回となった今回も開場と同時に多くのビジネスパーソンで賑わいを見せていました。来場者は、経営層から営業・マーケティング部門の管理職、そして現場の第一線で活躍する担当者まで、幅広い層にわたります。特に、具体的な導入検討を目的とした来場者が多く、「サービスのデモを直接見たい」「自社の特殊な要件について相談したい」といった、熱量の高い声が各ブースで聞かれました。
さらに、「DX導入活用」「AI導入活用」「営業組織強化」「to C マーケティング」「to B マーケティング」といった注目テーマを扱う5つのワークショップも盛況のうちに開催されました。加えて、1日目の18:00からは「大ビジネス第交流会 in Eight EXPO」と銘打った立食形式の大規模な交流イベントが行われ、会場は大いに活気づいていました。こうした交流会が実施されるのは通常の展示会では珍しく、Sansanらしいユニークな取り組みといえます。これらの工夫からも、来場者が単なる情報収集だけでなく、有益な知識や成功事例の共有、積極的なネットワーキングを求めていることがよく伝わります。
会場には、営業・マーケティングDXを支援する多種多様なサービスが一堂に会しました。出展ブースは、主に以下のカテゴリーに分類されます。
SFA/CRM(顧客関係管理):営業プロセスの見える化や顧客情報の一元管理を支援する数多くのツールが出展されていました。AIによる営業支援機能や、モバイル対応を強化した最新サービスなど、現場での利便性を意識したソリューションが多く見受けられました。特にHubSpotのブースは来場者の注目を集め、終始多くの人で賑わっていました。
MA(マーケティングオートメーション):リードナーチャリング(顧客育成)を自動化するMAツールは、もはや定番のソリューションです。今回は特に、Webサイトの行動履歴やメールの開封率といったオンラインのデータだけでなく、オフラインのイベント参加履歴なども含めた統合的な顧客分析を可能にするプラットフォームに注目が集まっていました。
インサイドセールス支援:非対面での営業活動を効率化するツール・リード獲得ツールやアウトソーシングサービスのブースも活況でした。オンライン商談システムはもちろんのこと、AIによるトーク解析や、効果的な架電リストを自動生成するサービスなど、より科学的なアプローチで成果を最大化しようとするソリューションが紹介されていました。
データ分析・活用:社内に蓄積された膨大なデータをビジネスインテリジェンス(BI)ツールやAIで分析し、経営戦略やマーケティング施策の意思決定に活かすことができるソリューションが多数紹介されていました。直感的に操作できるUI/UXを備え、専門的な知識がなくてもデータを有効活用できるツールも増えており、データ活用の裾野が広がっている様子が伝わってきました。中でも、今後公開予定のログラスの新プロダクトには個人的にも大きな期待を寄せています。
生成AI関連:今回の展示会で特に目を引いたのが、生成AIを活用したサービスです。メールの文面作成、ブログ記事の自動生成、顧客への個別提案書の作成支援など、マーケティングコンテンツ制作や営業活動の効率を飛躍的に向上させる可能性を秘めたツールが多数展示され、多くの来場者が足を止めていました。
各ブースでは、製品デモや個別相談が盛んに実施され、来場者は自社の課題やニーズに合ったサービスを積極的に比較・検討していました。また、落ち着いて詳しく話ができる商談スペースが充実していた点も、真剣に導入を考える方々にとって高く評価されていたようです。
今回の「Eight EXPO 第4回 営業マーケDX 比較・導入展」は、営業・マーケティング分野におけるDXが、単なるツール導入の段階から、「データをいかに統合し、AIを駆使して成果を最大化するか」という新たなステージへと移行していることを明確に示していました。特に、分断されがちだったSFAとMAの連携を強化し、顧客接点のすべてをデータで捉え、一人ひとりに最適化されたコミュニケーションを実現しようとする動きは、今後の大きな潮流となるでしょう。
本展示会に参加できなかった方も、今回のレポートでご紹介したトレンドやキーワードを参考に、自社の営業・マーケティング活動を見直すきっかけとしていただければ幸いです。多くの出展企業がウェブサイト上でサービスの詳細や導入事例を公開していますので、ぜひチェックしてみてください。
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