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展示会で反響が出ない?BtoB企業がやりがちな3つのミス

作成者: Shinsuke Uei|2025/04/16

BtoB企業にとって、展示会は新たなビジネスチャンスを創出するための重要な場であり、リード獲得や商談の起点として非常に有効なマーケティング戦略です。展示会に参加することで、企業は自社の製品やサービスを広くアピールし、潜在的な顧客との接点を持つことができます。しかし、実際には「反響が出なかった」「名刺は集まったが商談・売上につながらない」という声も少なくありません。これは、企画段階のターゲティング、展示会の準備や運営において何らかの問題があることを示唆しています。例えば、目的やKPIが不明確であったり、ターゲット層に響く訴求ができていなかったり、フォローアップが不十分であったりすることが原因となることが多くあります。

本記事では、こうしたよくある失敗パターンを分析し、成果を出すための具体的な戦略をご紹介します。この情報が、展示会を通じてさらなるビジネスチャンスを確実に手に入れるための助けとなれば幸いです。

1. なぜ展示会で反響が出ないのか

自社製品のターゲティングと、それに合った展示会の選定をしっかり行っていますか?来場者の数だけで決めていませんか?候補の展示会に実際に足を運び、雰囲気や来場者、出展ブースの様子、人の混雑具合を確認しましたか?成果が出ない理由として、この初期段階の設計を怠ると、どれだけ努力しても成果は得られません。事前の計画や戦略を入念に立て、実際に展示会に足を運んでリサーチしましょう。

「展示会に出れば、ある程度のリードは取れるだろう」―― そんな考えで出展していませんか?展示会は単に「出るだけ」では、期待する成果にはつながりません。成功を収めるためには、事前準備から当日の対応、お声がけやサービス説明のスクリプト、そして会期後のフォローアップまでを一貫してしっかりと設計し、実行することが不可欠です。事前準備では、ターゲット層を明確にし、彼らに響くメッセージを練り上げ、ブースのデザインやチラシの内容をそれに合わせて整える必要があります。

当日には、来場者と効果的にコミュニケーションを取り、彼らの興味を引く戦略を実行して次回の商談につなげましょう。展示会終了後も、迅速かつ的確なフォローアップを行い、名刺を交換した見込み顧客との関係を深め、商談件数を増やす努力が必要です。これらのプロセスを一貫して設計し、実行することで、展示会を通じて本当のビジネスチャンスを掴むことが可能になります。

2. BtoB企業がやりがちな3つのミス

ミス①:目的が曖昧なまま出展している
展示会に参加する際、企業は「ブランディング」「リード獲得」「商談設定数」「売上向上」など、具体的な目的を持つことが重要です。しかし、これらの目的が曖昧なまま出展してしまうと、ブースの設計や配布資料、接客トークに一貫性がなくなり、来場者に対して効果的なメッセージを伝えることができません。明確な目的を設定することで、チーム全体の戦略を統一し、より効果的な成果創出が可能になります。

ミス②:トークが仕組み化されていない
展示会場では、多くの来場者が、どのような会社であるのか、また自分たちにどのようなメリットがあるのかを理解できずにいます。これは、キャッチコピーや展示物の訴求が不十分であることが原因です。これを解決するためには、声がけトークやブース内での接客トークを通じて来場者に魅力を感じてもらうことが必要です。説明員や営業に任せきりにせず、来場するターゲット層やニーズを深く理解し、それに応じたトークを練り上げて仕組み化することが重要です。これにより、購買意欲を高め、次回の商談や売上創出につなげることが可能になります。

ミス③:出展後のフォローが遅い or ない
展示会で名刺交換をしても、その後のフォローが遅かったり、全く行われなかったりすると、せっかくの商談の機会を逃してしまいます。多くの企業が「1週間後にメールを1本送ったきり」という状況に陥りがちですが、これでは見込み顧客の関心を維持することは難しいです。展示会直後の3日以内(可能であれば当日または翌日)に迅速かつ的確なフォローアップを行うことが、商談につなげるための鍵となります。フォローアップの際には、展示会での会話を思い出させるような内容を含め、顧客の興味を再度引きつける工夫が求められます。これにより、名刺交換した見込み顧客との関係を深め、実際の商談へとつなげることが可能になります。

3. 成果を出すための3つの戦略

戦略①:ターゲットを絞った訴求と導線設計

あるSaaS企業では、特定の部門に直接響く課題解決の提案を行うことで、非常に効果的な訴求を実現しました。この特化したアプローチにより、来場者は自分たちのニーズにぴったり合う情報を得られると感じ、ブースへの関心が高まりました。その結果、1日あたりの名刺交換数が前年比で150%を超えるという驚異的な成果を上げるケースも多く見られます。出展する展示会のテーマに応じて、訴求内容を変えていきましょう(例:DX文脈、業務効率化、XXを解消するXX、など)。さらに、ブースのデザインや展示物もターゲット層に合わせて最適化されており、来場者が自然とブースに足を運びたくなるような導線設計が施されていました。これにより、企業はより多くの潜在顧客と直接対話する機会を得ることができ、商談の可能性を大幅に高めることができました。

戦略②:トークの仕組み化と積極的なアプローチ

展示会当日の運営は成果に直結します。ブースで待っているだけでは来場者は訪れません。積極的に声をかけて、ブースに足を運んでもらいましょう。デモを見せるなどして、ブース内に引き込む作戦を考えましょう。展示会当日の対応の質を向上・標準化させるために、事前にシミュレーションやロールプレイングを行い、どのような言葉を使い、どのような話の流れでクロージングするかを仕組み化し、説明員や営業に浸透(研修)させます。注意すべきは、一方的なサービス紹介にならないようにし、来場者の状況や課題をヒアリングすることです。これにより、会期後も様々な提案が可能となり、展示会の成功に大きく影響します。

戦略③:会期後フォローを自動化・シナリオ化

展示会後のフォローアップは、商談に結びつけるための重要なステップです。CRMやマーケティングオートメーションを活用し、セミナー案内や資料送付、インサイドセールスからのアプローチのシナリオを整えることで、効率的かつ効果的なフォローアップが可能になります。展示会期間中に慌てないよう、関係する組織とは事前に計画をしっかり立てておきましょう。これにより、小規模なブースでも、展示会後3週間で30件以上の商談につながった例もあります。自動化されたシナリオにより、フォローアップのタイミングや内容が一貫しており、見込み顧客の関心を持続させることができます。「潜在的なニーズを持つ来場者が多い」という前提で、インサイドセールスからのアプローチとマーケティング戦略としてのナーチャリング施策を組み合わせて実施していきましょう。展示会で得たリードを無駄にしないよう、継続的かつ粘り強く接点を持ち、会期後も商談獲得率を高めることが重要です。

4. 成果につながった企業の事例紹介

あるベンチャー企業では、出展テーマと接客トークを「○○業界の△△課題」と具体的に表現することで、来場者に対して非常に関連性の高い情報提供と提案を行いました。この方法により、来場者は自分たちの業界特有の課題に対する解決策を見つけられると感じ、ブースへの関心がさらに高まりました。業界特価の専門展示会では特に有効です。

さらに、来場者との商談設定をその場で行うことを徹底し、関心が高かったにもかかわらず商談設定ができなかった場合には、その日中に連絡を取ることで商談化率を向上させました。その結果、展示会後の商談設定率は30%を超え、過去最高の成果を達成しました。この成功は、事前の準備と仕組み化、当日の迅速な対応の重要性を示す好例となりました。

5. 今すぐできる!展示会成果アップのチェックリスト

以下のような項目に、自社は当てはまっていますか?簡易的なチェックリスト確認してみましょう。

  • KGIを「売上」や「粗利」と設定した際に、展示会出展の目的が「リード獲得」「商談設定」「認知向上」のいずれかを明確に定義していますか?
    展示会に出展する際には、具体的な目標を設定することが重要です。リード獲得を目指すのか、商談設定数を追求するのかを明確に区別し認識することで、効果的な戦略を立てることができます。また、当日の運営においても、”分かりやすい数字”を追いかけることができるため、現場の士気やモチベーションを管理しやすくなります。

  • ブースでのキャッチコピーが2秒で説明・理解できる内容になっていますか?
    来場目を引くには、簡潔で印象的なキャッチコピーが求められます。ブースの前を通り過ぎるわずか1-2秒の間に伝わるキャッチコピーを磨き上げ、短時間で自社の強みや提供価値を効果的に伝えられるよう工夫しましょう。

  • 事前研修は行き届いていますか?
    展示会当日に参加する説明員や営業が実際に来場者にどのように声がけを行い、ブース内でどのようにサービス説明や課題ヒアリングを実施するのか、当事者本人がイメージを持てていますか?事前研修やロールプレイングには時間を十分に割き、商談設定の成功率を高める仕組みを構築しましょう。

  • 展示会期間中に収集した名刺情報や商談メモ、ヒアリング内容はきちんと整理・管理されていますか?
    展示会中は多くの人が行き交い、時間が経つと誰と何を話したかを忘れてしまうことがよくあります。名刺情報の分類や商談メモ、課題や会話内容の記録方法を事前に決めておき、後のフォローアップに備えましょう。名刺のデジタル化やCRMとの連携サービスの利用も事前に検討し、効率的な情報管理を心がけましょう。

  • 展示会終了後3営業日以内にフォローの連絡を行っていますか?
    迅速なフォローアップは、見込み顧客との関係を深め、商談に結びつけるための重要な要素です。展示会後のフォローアップ計画やナーチャリング戦略をしっかりと策定し、実行に移しましょう。もし3営業日以内に実行できていない場合、リード獲得が無駄になったと見なされても仕方ありません。

これらの項目ができていない場合、すぐに見直しを行い、改善策を講じることが重要です。展示会の成功に向けて、今すぐ行動を起こしましょう。

おわりに

展示会の成果は、その計画、準備、そしてオペレーション設計の質によって大きく左右されます。デジタルマーケティングが主流となる中で、リアルな展示会の価値が再評価され、マーケティングや営業活動を大幅に加速させる役割を担っています。しっかりとした計画と戦略を持って臨むことで、単なる出展に終わらず、具体的な成果を生み出す場に変えることが可能です。

これまで「反響がなかった展示会」も、適切な準備とフォローアップを行うことで、「成果を生む展示会」へと劇的に変化させることができます。今こそ、その一歩を踏み出し、展示会を通じて新たなビジネスチャンスを確実に掴むための行動を起こしてみませんか?展示会の成功は、企業の成長を加速させる大きな鍵となります。

株式会社ネクスドライブは展示会の戦略立案から営業オペレーション構築、導線・ブース配置、会期後のインサイドセールス戦略まで、包括的なサポートを行い展示会の成果を最大限に引き出します。ぜひご相談ください。